22、スーパーのバイヤーへの売込み (平成28年9月3日)

 夏場7月・8月の高知県は気温が高く、作物の栽培には苦労する時期である。 しかしながら、首都圏のスーパーの店頭には、全国各地から新鮮な野菜や果物が溢れている。 夏場の暑い時期は高知県では、秋に向かって、作物を植え替える作業に精を出す。 暑いビニール・ハウスの中で、一年間収穫して役目が終わり、長く伸びて支柱に巻きっけられたトマトの茎を、一本一本引き抜き、元の畑に戻し、土づくりをして、苗を植え直す。 これらの作業は一年間で最も過酷な作業といえる。

 スーパーのバイヤーにとってみれば、夏場は全国各地から豊富な作物が届けられるので、品薄な高知県の作物にはあまり関心を示さない。 高知県の生産者はこの時期に、秋以降の作物の売り込みを開始する。 スーパーのバイヤーにとっては、目先の買い付けには苦労していないものの、冬場に向けて全国的に生産量が低下する時期の対応は常に気になるに違いない。
 先日、高知の東部地区でトマト、キュウリ、ナス、ゴウヤ等、生産・出荷している生産グループのY社長と、従来の商品と新たな品種の作物の売り込みに、高知から大田市場(東京)に駐在するスーパーのバイヤーと大手商社の担当者へ出向いた。 幾つかの商品説明と、サンプルを提示しながら値段等の交渉を始めた。でき始めのトマトをかじり、糖度計で計ると7度とのこと、今の時期でこれだけの味であればとバイヤーは関心を示す。
 店頭で販売する価格から割り出して、生産者側がスーパーの配送センターへ届けるまでの価格を提示する。 例えばトマトの場合、現状の取引量であれば新鮮さを保つために、クールで翌日毎日の配送になる。 生産者側は宅配の運賃を抑えるために、パッケージをできるだけまとめて送りたいと要望する。 スーパー側は配送センターでの作業を効率化するため、各店舗での一日の販売量を計算して、小分けにしてほしいとの要望がでる。
 Y社長はどうしても今回売り込みたいので、スーパー側の要望を受け入れ検討してみると回答する。 これらのパッケージや配送コストは生産者側に大きくのしかかる。
  更に、太田市場の仲卸数社を訪問して、平素取り引きをしている内容の相談や、新たな売り込みをして、情報交換を行う。 従来のセリを中心にした流通は最小限に抑えられ、市場外流通、相対取り引きが個別に生産者と行われ、大手販売店が委託するバイヤーが産地や生産者と直接交渉して、最大限の利益を上げることに集中している。

 生産者はバイヤーが喉から手がでる程欲しがる商品・作物を栽培して、有利な立場で販売することができれば申し分がないが、どこかの産地が天災で出荷ができないような状況でもなければ難しい。 やはり、地道にそこそこの作物を、コストを削減しながら生産し継続して販売するのが成功法と考える。 その際やはり物流コストと物流品質が大きなカギを握ることになる。 何とか高知県の生産者のコストが抑えられる物流の仕組みを早く編み出す必要がある。 Y社長の要望も含め、高知県の物流を競争力のある仕組みにしようと検討・試行している小生にとってまたしても検討すべき課題が増えた。

2016年09月03日