02、首都圏での子育て (「物流あれこれ」より)

 首都圏にこれだけ多くの人口が集中して、それなりに便利な生活を送っているよ うであるが、大人は別にして、低学年の子供たちにとって果たして問題ないのであ ろうか。もちろん、育成室や保育園は足りないといってもそれなりに充実してきて いるが、裏を返せば多くの家庭は共稼ぎで、平日共に過ごす時間は少ない。  元来 人間は、自然とともに生活している動物であるが、首都圏の生活は、かなり自然界 からかけ離れた生活を強いられている。 多くの成人は過去には、田舎の田畑や、 山川で過ごした経験をもっているので、それほど、都会生活に疑問を持たないかも しれないが、子供たちにとって今の環境でよいのだろうか。
 
 最近、度々、郷里の高知県へ帰郷し、都会生活と田舎暮らしを味わっていて感じるのは、都会生活のみで育つ子供たちがかわいそうで仕方がない。 自然界を肌で感じる楽しさは何にも代えがたいように思う。 スーパーやコンビニで食材を買って食べる生活は便利であるが、田舎で畑から収穫して調理する野菜や、川や海から魚を取って料理することがいかに楽しく、人間の心を満足させるか都会生活者は知らないのである。  
 私が経営している進学塾の子供たちを観察していると、学校と家庭との生活だけの毎日が多く、自然界に身を置くことはほとんどないのでは。もちろん、学校でも草花を育て、給食当番で調理の手伝いをする機会はあるが、それらはほんのわずかな経験に過ぎない。 子供たちは逃げ場を失い、家に閉じこもったり、不登校になったりしているのでは。 都会で安全に子供たちが過ごせる自然があれば申し分ないのだが。 都内の小中学校も生徒が減少して合併校になったりしているので、空いた土地を利用して、学校が管理して、田畑にするのも一つのアイデアかも知れない。  
 学校での学習も大事であるが、将来を担う子供たちの、生育時期の環境は、もっとも大事なことである。地域住民、特にシニア層が協力してその環境づくりにアイデアを出し、環境づくりを支援することができないだろうか。 地方とのつながりを重視して、都会生活者との交流を深め、少子化高齢化に悩む地域との本格的な取り組みが必要な時代になっている。 現在、多くの自治体や市町村では、都会からの移住者を取り込もうと必死に活動している。 都会と地方とのバランスが保てなければいずれ共倒れになる。 日本全国各地域がそれぞれの役割を果たしながらバランスよく経済発展するのが理想である。 更には地域ごとの協力で、適した環境で安全に子供たちが自然を満喫できることができれば理想であり、そうして育った子供たちの中から、将来、地方の発展のために尽くす人物が出ることを望みたい。  
 農家や漁業従事者と都会の生活者は多くの流通の仕組みがあるなかでも、生産者と消費者との関係で密接につながっているのである。 できればどちらも満足できる関係、ウイン・ウインの関係でありたいし、流通を担う物流事業者もそれをサポートする責任がある。 都会の消費者にも生産者の声が届き、子供たちもその大切さを理解で来るようにしたいものです。

2015年05月15日