51、土佐の「日曜市」と「ひろめ市場」  (平成30年2月5日)

 今年の冬は例年に比べて、寒さを感じている、南国土佐ですが、それでも日本海側の豪雪地帯に比べれば幸せな地域です。 勿論、近畿以西で一番高い山がつらなる四国山脈地域では、寒さと雪に関しては引けを取りません。 この冬の季節でも、毎週日曜日、高知県全土から、生産者が地元の産物を持ち寄り、高知城の大手門から真直ぐ東へ延びる大手筋は長さ1.3キロメートルにおよそ420店のテントが並びます。 クスノキとフェニックスが揺れる南国情緒満点のメインストリートを片側2車線占拠して開催されています。 終日路上で開かれる市としては日本一の規模を誇ります。 この日曜市が誕生したのは江戸期。 元禄3年(1690年)土佐のお殿様が定めえた「市立」に始まり庶民の生活市として300年以上もの歴史を刻んでいます。
 私も、日曜日に特に用がない場合は、この日曜市に出かけるのを楽しみにしています。 出店者には決められた店番と生産者名が描かれた看板があり、東から一丁目から七丁目まで、道の両側は南北で示されます。 従って、出店者はそれぞれ、いつも決まった場所で店を構えています。 季節により販売されている野菜や、果物等は何時も旬のものが並ぶので、高知県の産品を首都圏に販売している私には、毎回勉強になり、いつも何かの発見があります。
この日曜市に出展されている、20件程とは顔なじみで、毎回立ち寄り情報交換をしています。 多くの店は年配の女性が販売していますが、最近は若い方々も増えてきました。 日曜市のみで販売している方も多く、その方々にとっては一週間の大事な現金収入の場でもあります。
 私が立ち寄る店の一部を紹介します。 ご主人の実家でサツマイモ、生姜等を販売している若いご夫婦。 土佐湾を展望できる果樹園で、ポンカンを収穫し、収穫後にはジャムやジュースに加工して一年中販売できる商品を持っている方。 中山間地区で文旦やポンカンを有機栽培して、加工品も販売している方。 市内から近いところで、エディブル・フラワーを栽培して、各種加工品を販売している仲のいいご夫婦。 身体障害者を雇用して果物の加工品やケーキを製造販売しているご夫妻。 近海(浦戸湾)で各種カニや魚を取り、私が大好きな酒盗を作っている元気なおばさん。 地元の生姜を使ったドリンクを一杯120円で飲ませてくれるご夫婦。 多くの方々との触れ合いが楽しい時となります。

 更に多くの県外の方々も利用する{ひろめ市場}がお城の近くにあります。 日曜市を一通り歩いた後は必ず立ち寄る場所です。 ここは、高知の郷土料理から世界の味まで揃う飲食店、鮮度が命の鮮魚店や精肉店、ユニークな雑貨や洋品店など、60店以上のお店が集まった商業施設で、午前中から多くの方で賑わっています。最近は高知港に大型客船が数多く入港するので、客船が入ると多くの外国人で賑わい、韓国語、中国語、広東語が飛び交います。ひろめ市場は、ほとんどの飲食店には専用のテーブルがなく、いたるところに配置されたテーブル(客席数500)に、それぞれのお店で買ってきた料理を持ち寄って食べるスタイルです。 食器は、専門のスタッフがすべて回収してくれます。 県外からの方々も、ここを訪れることを楽しみに来る方も多く、一人で座って飲んでいると、色々な方に巡り合うことができます。
 
 先日も、ご家族ずれで東京から、郷里を尋ねられたご家族が隣に座られ、話を始めると、ご主人には一年ほど前に仕事でお会いしていた方だと気づきました。 高知はいたるところで、人と人が触れ合うことができる場が多いと感じています。 たぶん触れ合うことの大切さを感じているのが、この土地の風土なのでしょうか。

2018年02月05日