66、養鰻(ようまん)(平成30年9月22日)

 大学の先輩で、長くインドネシアでゼネコンの社長をされ、独自の才覚で多くのビジネスを手掛けられているM先輩から、養鰻に関して相談を受けた。 現在、日本の鰻も稚魚が取れなくなり、鰻のかば焼きは高止まりで、なかなか生活者には手が届かなくなってきている。
 調べてみると、最近の鰻の出荷量は、鹿児島県、愛知県、宮崎県、静岡県が多く、大分差が開いて、高知県、徳島県、三重県と続く。 輸入先を見ると、中国が圧倒的に多く、その他では台湾が挙げられる。
 日本で養鰻業を営むには、毎年申請が必要で、許可制になっているとのこと。 高知県には養鰻業者として19社ほど登録されているようである。 養鰻業者は高知県淡水養殖漁業協同組合を組織していて、情報交換等を行っているようだ。
 私は、M先輩から話があったときに、これは面白い話だと感じ、高知県の水産の担当者とお会いしたりして情報を集め始めた。 その中で、地元高知では清流四万十川流域に、有力な養鰻業者を紹介いただき、先日、訪問してきた。 このS社のO社長は業界の代表的なお立場でもあり、素人の私に丁寧に養鰻等に関して御説明いただいた。
 まず初めに、インドネシアからの依頼である「日本の養鰻のノウハウを教えてほしいし、指導に来てほしい」と要望があると伝えると、御本人O社長は7年前に御自分でインドネシアの養鰻場の状況を視察した経験から、まずは勧めないとのこと。 そこから、いろいろなぜなのかを伺うことになった。 その理由は、インドネシアの養鰻池には塩分が強いこと、水が真っ黒で汚く、ホルマリン等を使用していたという状況から、現地の生産者の意識は変わらないだろうとのこと。 日本並みに水質や十分な環境を整えるには、多額の費用が掛かるので、そこまでは整備しないだろうとのことだった。 その後現場を見せていただいたが、それはすばらしい設備で圧倒された。 設備に1億円、運転資金に1億円が必要とのこと。 特に私が感心したのは、病気対策だ。 生き物ですら、野菜や果物と同じで、いろいろな原因で、病気を心配しなければならない。 まずは、ウイルスや害虫対策には水温を34℃まで一週間ほど上げる。 腸の病原菌には餌に薬をまぜる。 等々で、実際には管理者がうなぎの生態を見て何が原因なのか判断できなければならないとのこと。 実際に見せていただいたすばらしいクリーンな施設でも起こりうる、インドネシアでそこまで管理できるか、施設も含めそう簡単ではないと実感した。
 その辺の事情を簡単にM先輩に報告したが、最近の現地の状況は7年前に比べれば大きく進歩しているとのこと。 しかし養鰻業者のO氏によれば、インドネシアの責任者が少なくとも一年来日して研修してほしいとのこと。
 私としては、M先輩からの話を、そのままにしたくないので、何とかまずは責任者が日本へ短期に出張されて、文化的な違いを含め日本の養鰻の状況を確認してほしいと感じている。

2018年09月22日