67、新高梨 (平成30年10月5日)

 平素から親しくさせていただいている、田野町でトマト等の生産・販売をされているY氏から、新高梨の生産者の所へ、一緒に出掛けようというので、高知駅で待ち合わせて、出向くことにした。 この時期になると、高知でも各地からの梨が店頭に並びだす。 Y氏は、新高梨を仕入れて、首都圏へ販売するのと、地元の道の駅で販売することを目的に、知り合いの生産者K農園へ出かけるという。
 向かう先は、高知市朝倉針木という地域で、高知市が一望できる小高い山の上に梨園が幾つもあり、針木梨組合を組織している。 水はけの良い急な斜面にある農園には、昼間は太平洋からの暖かい風が、夜は仁淀ブルーと呼ばれる清流仁淀川から涼しい風が吹き、この寒暖の差によりおいしい新高梨が育つという。
 新高梨は大正4年、梨研究の第一人者である菊池秋雄博士により、東京府立園芸学校玉川果樹園で誕生した。 高知市針木は国内で最も早い昭和5年から栽培を始めた新高梨発祥の地。
 K農園の営業ウーマンであるマダムによると、今年の夏は非常に暑く、台風もたくさん襲来していて、暑い夏に台風のもたらす雨は、作物にとっては大きな恵みになることもある。 昔の新高梨の棚は竹であったが、強い風が吹くと棚ごとに大きく揺れるが、大きな新高梨はびくともしない。 今年の春は4年ぶりに好天に恵まれ、十分に交配することができ、針木の新高梨にとっては少し明るい秋となったが、それでも、夏の高温、少雨、ハクビシンの食害などで、豊作にはなかなか結びつかないが、それなりに「皆様にお届けする梨が収穫できたことに感謝一杯」と話してくれた。
 大きい果物は、大味でおいしさに欠けると一般的に言われるが、新高梨は大きければ大きいほど、本来の味が引き出され、大きなものになると2キロを超え、子供の頭以上の大きさになる。
 K農園では所狭しと収穫された梨が、箱詰めされ、大きさや品質、傷のあるなしで、それぞれ値段が表示されていた。 K農園では、御主人を始め5~6人が作業をされていて、奥様はお客様対応ということで、事細かに説明してくれた。
 同行したY氏は早速、関東の販売先の商品と値段を確認し、地元の道の駅には別途の商品を注文した。 私は、まずおいしそうで手頃な値段の物を選び、知り合いと、東京の家族向けに宅配の伝票に記載し、発送の依頼をさせていただいた。
 K農園のマダムの話からも、年に一回の収穫で左右される一年間の苦労を推察することができるわけだが、直接お話をしてみて、その真剣さを肌身で感じた次第だ。 たかが梨であるが、それを年間手塩にかけて育てる生産者の苦労を感じることができ、大変感銘した一時となった。 多くの農産物の生産者が自然と共生し、その中から生活者が求めるものを栽培し、販売するこの行為の尊さを身に染みて体験することができた。 私も農業を頑張り、今後も努力を重ねることの大事さを改めて実感することができた。

2018年10月05日