76、土佐文旦 (平成31年3月1月)

 最近では、高知産の土佐文旦を首都圏にお住まいの方々も、召し上がることが多くなっていると思うが、ここ数年前から、高知各地の文旦を首都圏に送らせていただいている。 もちろん、文旦農家から毎年、直接取り寄せられている方も多いと思うが、私どもは、首都圏の需要が高まっている、カット野菜、カットフルーツ用の物を数多く取り扱っている。 昨年暮れから年明けにかけて収穫したものを、畑や冷蔵庫に一月ほど寝かすと、酸味と甘みのバランスが取れた、文旦特有の香りのおいしさを味わうことができる。
 栽培過程では、器量の悪いものや、少々形の悪いものも出るが、味はそんなに変わらない。 栽培農家の方々は、出荷段階で、大きさや形を見て選別作業をする。 仮にA品、B品、C品と分けた場合A、B品はそのまま出荷するが、C品はお手頃値段で販売をするか、加工用に回る。 味は変わらないのだが、価格が安くなる。 その年の気候状況等で、品質や味の違いはあるが、少し暖かくなってくると文旦はよりおいしく味わうことができる。
 加工としては、カットフルーツにするもの、ジュースにする場合もあるが、文旦の厚い皮は最近捨てないで、甘みを含ませてピールとして、お菓子やスイーツとして利用され、多種多様な商品として利用されている。
 私どもは、この数年、継続して、カット用の文旦を、生産者、農協、市場から買わせていただいて、関東のカット工場へ送り込んでいる。 カット工場では、デパート、スーパー、コンビニへ各種の果物と盛り合わせや、単独に文旦のカットしたものを盛りつけて、新鮮な内に店頭に並べる。 一度、文旦の味を知っていただくと、そのおいしさは忘れられない物になるに違いない。 土佐文旦の味は、土佐文旦でしか味わえない味だ。 グレープフルーツなどのような強い酸味ではなく、ジューシーでみずみずしく糖度と酸味のバランスがとても良く、あと口も良いことから知らず知らずにパクパクと食べてしまう。 また、土佐文旦の香りは、非常に爽やかな香りで、この香りも大好きだというお客様がとても多く、これも魅力の一つである。
 文旦には、1月から5月頃まで出荷される露地物土佐文旦と、10月末頃から12月末頃まで出荷される温室土佐文旦、そして9月から11月頃まで出荷される水晶文旦がある。 高知ではたくさんの種類の柑橘が栽培され販売されている。 温州ミカンに始まり、ポンカン、文旦。 そしてこれからは小夏が出回る。 色々な果物をそれぞれ味わっていただきながら季節を感じていただければ幸いである。 高知の色々な柑橘をおいしく召し上がっていただくためにも物流の仕組みを、産地側と買い手先の協力を仰ぎながら改善すべく取り組んでいる。 野菜や果物は、比較的安価なものが多いために、物流費の占める割合が高くなりがちである。 特に野菜類では、商品価格と物流費がほとんど変わらない場合もある。 出荷段階から首都圏の店舗に収めるまでの物流コストを様々な観点からコスト削減の検討を続けたいと考えている。 目指すのは、物流会社に負担をかけるのではなく、無駄をなくして効率を上げる仕組みである。

2019年03月01日