87、流通コスト(令和元年8月20日)

 大学の大先輩であるM氏から色々と問い合わせがくる。長くインドネシア、ジャカルタで日本の大手建設の現地社長を経験され、一度日本へ帰国された後、知人の多いインドネシアへ再度住まわれている。M氏はインドネシアの政府筋の方々など、多くの人脈から各種事業のコンサルタントをされているようだ。
 私が高知で青ネギを栽培して販売していることから、農業関係の問い合わせが多い。彼が現在取り組んでいる案件に、魚の養殖用の餌、飼料と農業用の肥糧に関してである。主にインドネシア産の商品を日本に輸出することをターゲットにしている。私への調査依頼は、それらの商品を日本へ輸入した場合の販売価格を知りたいということである。しかしながら、御存じのように、飼料、肥料に関して、成分と内容で価格差は大きく、的確に回答ができない状況である。
 現在は、海外でも日本の情報はインターネットで調査できると想定しているが、それでも日本在住の私の情報も欲しいということだろうか。肥料や飼料が、日本側でどのくらいの価格で販売されているかを知りたいということは、それによって生産地、製造者の卸価格を決めるということだろうか。
 国際間の取引の場合一般的には、中間の流通コストを十分に考慮しなければならない。この流通コストとは大きく分けて、物流関連費用(荷造り・通関貿易手数料・各種運賃等)と流通マージンがある。物流関連費用に関しては、物流量、輸送方法が確定すれば、計算することができるが、流通マージンに関しては流通経路をどのように仕組むかで大きく変わることになる。
 例えば基本の流れを確認してみると、インドネシアの生産・販売価格に対して、買い手、輸出業者、日本の輸入業者、問屋、小売店、購入者と多くの手を経て流通することになる、どこかの時点で販売在庫を抱えることになる。
 別のケース例で、製品輸入の概算をお知らせすると、最終小売価格が100円とすると、小売店への納入価格は60円程で、卸価格は40円、輸入者の輸入価格は20円程になるに違いない。したがって、海外の生産者の販売価格は10円以下かもしれない。このように推定すると。海外の生産者にとっての販売価格は大変厳しい価格になると推察できる。したがって、10円以下で生産されたのが、10倍の100円で販売される訳である。
 肥料や飼料も同じような流通経路をたどるのであれば、同様な状況になるはずである。小売店に近いところで在庫を持つとなればそれらの置き場や、倉庫の経費も見積もらなくではならない。流通コストをいかにセイブする仕組みにするかが大事な課題となる。それには、単なる売り買いではなく、生産者と販売者が協力し合い、流通コストの低減を徹底して進める必要がありそうである。
 インドネシア側で新たな商品開発をするのであれば、同時に流通・販売ルートも同時に立ち上げる必要がある、現在同様な流通が存在するのであれば、そちらとの協力関係を初めから構築していくことが賢明かと思われる。このことを、私からジャカルタのM氏に十分説明する必要性を感じている。

2019年08月20日