31、高知県の物流システムを考える (平成29年3月18日)

 一次産業が中心の高知県と県外への物流に関して、最近色々な立場の方々と、話をさせていただく機会が多くなっている。
 先日、高知の大手の物流会社S社を訪ね、現在の高知県の物流に関して、ヒヤリングさせていただいた。 物流会社も運賃コストに関してあれこれと施策を考え、テストもしているが、簡単に妙案はなく、荷主を確保し、一件一件その要望に応えていくしかないわけである。 高知県の農産物の配送は長い間、園芸連がJA等との協力のもと、主要地域の市場へ届けているのですが、それでもかなりの頻度でトラックが満載にならず、コスト割れで走らなければならないケースも多い状況とのこと。

  ご承知のように、貨物はまとめればまとめる程、運賃コストは低減される訳です。 特に高知県の場合は主要な仕向け先である、関東圏や関西圏向けの輸送コストがどうしても割高にならざるを得ない。 その原因を考えてみると、現状では海上ルートもなく、鉄道輸送に関しても貨物駅は皆無で、オフレール・ステーションのみが存在するに過ぎない。 従って、トラック輸送に限定される。 高知県の場合、東の室戸岬から西の足摺岬まで、東西に長く、高速道路網も十分とはいえず、個々の生産者の出荷のボリュームは少量の場合が多く、かなりの集配コストが掛かる状況で、さらに首都圏までの距離を考えると、他県に比べて、物流コストの低減はかなり困難な状況にある。

 更には一次産業の貨物が中心であるから、特に夏場は、温度管理が必要な貨物が主流を占める。 魚類に関しても冷凍・冷蔵・チルド等の温度帯の管理が必要で、野菜や果物に関しても、それぞれの種類によって、輸送中の最適な温度帯は異なる。 保冷庫からそのままトラックに積み込まれる貨物もあるが、はたけから収穫して、常温の状態の出荷場で荷捌き選別作業をした状態で、急に冷蔵や10℃以下の状態で輸送すると、結露したり、着地での日持ちが悪くなったりする。 作物ごとの輸送・配送時の適温は、その種類によっても変わってくるので、悩ましい。

 多くの荷主(農作物の生産者、水産業者)は、コストの安い一次産品の場合には貨物の価格に比べて、多額の運賃を覚悟しなければならない。 当社で栽培している、青ネギを関東圏に輸送すると、運賃が商品代金の三割以上掛かることを考慮しなければならない。 それでも、輸送会社の立場で、自分なりに計算してみると、決して高い運賃ではないことが理解できる。

 最近、私に依頼されるのは、市場向けではなく、大手流通チェーンへ直接販売する場合の輸送で、これに答えるには、様々な角度で検討する必要があると考えている。 できれば、首都圏で高知県の農産物を一手に取扱ってくれる冷凍・冷蔵設備等が完備した事業者がいれば、その拠点が首都圏の高知産農産物の市場(卸・小売りの拠点)になりえるのではないかと考え、流通の面から考えても、輸送・配送面から考えても、弾力ある対応が可能になるに違いない。
 この辺の所を、近々、地元の産学官民連携の研究会を発足してもらい、色々な角度で検証してみたい。 先ずは、できるところから早めに実行に移し、徐々に関係者の理解の上で、使いやすいプラット・ホームができればと考えている。

2017年03月18日